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素晴らしきアメリカンスタンダードメロディ

隔月刊誌「ジャズ批評」から愛するジャズ・ヴォーカル・アルバム3枚を選び200文字のコメントを付けて送付されたし、とのアンケートが送られてきた。締め切りまでそんなに時間がなかったのでここは宮田あやこ「ロッカバイ」でしょ、とばかりに大好きなハリー・ニルソンの「夜のシュミルソン」とスタンダード音楽へ目を開かせてくれたリンダ・ロンシュタットの「ホワッツ・ニュー」をためらわずお供に選び書き送った。

それが掲載されたジャズ批評誌2007年9月号「特集ジャズ・ヴォーカル」が送られてきた。シンガー、評論家、レコード店店主など総勢89名の方たちのアンケートが掲載され、寺島靖国、長沢祥両氏が総評の対談を行っている。ざっと眺めてみたが皆さん本当にジャズが好きな方ばかり。愛情を持って嬉々として3枚を選んでいる。

このブログ「君の瞳に乾杯!」を読んでくださっている方ならお分かりかと思うが、僕はジャズに関してほとんど発言していない。ローリングストーン誌編集長ヤン・ウエナー氏の「16,7歳から20数歳まで熱心に聴いた音楽に人は一生影響を受け続ける」云々の発言を読んだことがある。その説の通りだとすると、僕とジャズ、その時期の出会いは散々なものだった。ストイックに演奏する音楽家、ジャズ喫茶で暗い表情で聴く客たち。暇つぶしや待ち合わせにジャズ喫茶はそれなりに利用したが、家に帰ってまで聴く気にはなれなかった。なにより音楽がちんぷんかんぷん、ヴォーカルなどみな同じに聴こえた。密室で聴くジャズと違いロックはお天道様が味方だったし時代とコミットしていた。新しい時代はロックと共にあると錯覚させてくれるに充分の甘い蜜を含んでいた。

その点あやこは違っていた。初めてとりこになった音楽がボサノヴァ。今でもアストラッド・ジルベルト、セツジオ・メンデス&ブラジル66などのレコードが大切に保存してある。ジャズにも自然に溶け込んだ。サニーサイドオブジャズをちゃんと受け止めた。時代の流れでシンガー&ソングライターやロックも聴き、そんな作品でメジャー・デビューできたけど本人のなかには大音量のロックより、ボサノヴァやエラの音楽が溶け込んでいた。

あやこがジャズを歌いたいといってきたとき、天地がひっくり返った。リンダ・ロンシュタットがそのキャリアの絶頂期にスタンダード曲でアルバムを作りたいとプロデューサーのピーター・アッシャーに申し入れたときのアッシャーの心境もそんなものだったようだ。ジャズを積極的に聴く日々が始まった。しかしどんな名盤といわれるものを聴いても心揺さぶられなかった。学習として音楽を聴く、こんなむなしいことはない。

しかしそこで多くの作曲家を知った。ブロードウェイミュージカルへ楽曲を提供していた作家たちだ。そのメロディーは素晴らしいものだった。彼らの作品はジャズ音楽家に取り上げられることが多く、ジャズの世界の人と思われがちだがそうではない。彼らの曲は骨格がしっかりしているからジャズ音楽家がメロディーをずたずたに切り刻んでもそのテーマは揺るがない。永遠不滅のメロディーは今の時代でも燦然と輝き、そのフォロワーたちが新たなメロディーを紡ぎだす。ビートルズのポール・マッカートニーがデビュー前から数多くのブロードウェイソングを歌っていたことは多くの人の知るところだ。

連綿とつながる20世紀に作られたメロディーへの敬意から自分の場所に「GERSHWIN」と名づけた。ジョージ・ガーシュウィンを名作曲家たちの象徴としたわけだ(営業戦略的な意味合いもあって)。BAR GERSHWIINではそういった作曲家たちのアメリカンポピュラー音楽が流れている。そしてそういった音楽にインスパイアされあやこは歌い続けている。

2007年11月18日(日)札幌グランドホテル1Fラウンジバー「OLD SALOON 1934」において「素晴らしきアメリカンスタンダードメロディーへの旅」と題してあやこのコンサートが開かれる。毎年開かれている札幌グランドホテルでのライブ。時代を経ても色あせない美しい楽曲の数々、どうぞご堪能ください。まもなく正式発表します。

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Comments

こんにちは!
私は中学生の時、MJQに凝り、そのメンバーのミルト・ジャクソンのアルバムでWhat's newがお気に入りでした。まだ未練を残す男に再会して「最近どう?」なんて聞いちゃって、ごめんなさい。ちょっと泣かせる女心を歌った名曲ですね。大人になったら、どこかのジャズクラブでWhat's newをリクエストするのが夢でした。そうしたら、リンダが取り上げた。驚きましたね。
地味な歌ですから。
今度札幌へ行ったら、あやこさんに念願のWhat's newをリクエストさせて頂きます。

Posted by: eugene | October 04, 2007 at 03:13 PM

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