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再会の時

ダスティ・スプリングフィールド「DUSTY IN MEMPHIS」をこのところ愛聴している。1969年発表のアルバムだから発表から約40年たって初めて聴けたのだ。英国人シンガーダスティ・スプリングフィールドがメンフィス/テネシーに向かいジェリー・ウエクスラー/アリフ・マーディンにプロデュースをゆだねた作品。ごりごりの黒っぽい作りかと思いきやゴフィン/キング作が4曲、ランディ・ニューマン、バカラック曲、ミシェル・ルグランの映画「華麗なる賭け」のテーマ曲まで歌われていて「この胸のときめきを」「恋の面影」のヒット曲を持つダスティのそれまでのファンも裏切らないつくりになっている。しかし聴き所はソウルがそこはかとなく漂うダスティの歌。黒人(アフロ・アメリカンかっ)ぽく歌うことにかけては最近の日本のプロ音楽家も達者だけど、ソウルは心の奥深いところからにじみ出てくるもの。形だけまねてもね。なによりセクシーであってほしいものだ。

枕が長すぎた。高校、大学受験発表の季節だ。悲喜こもごも人生最初の試練に直面しているティーンネイジャーも数多いることだろう。この僕も高校受験には見事に失敗した。甘い誘惑に惑わされたのが原因だが、それでもさすがにショックだった。しかしその後その反省が生かされているかといえばおそらく答えはNO。三つ子の魂百までも、それじゃなきゃこんな商売やってません。

受験失敗で感傷的になっていた時もっとも愛聴したのがTHE SEEKERSの「COME THE DAY」というタイトルの日本編集アルバム(記憶が正しければ)。当時大ヒットした大好きな「ジョージー・ガール」という曲が入っていて受験に失敗してから買ったのか、その前に手に入れていたかは忘れたが、その頃ヒットしていたビートルズ「ペニー・レーン/ストロベリーフィールズ」ローリング・ストーンズ「ルビー・チューズデイ/夜をぶっ飛ばせ」などよりも熱心に聴いたものだ。

The
シーカーズはオーストラリア出身でイギリスで活躍していた。紅一点ジュディス・ダーハム(当時の表記)がヴォーカル、Aギター2人、ウッドベースの4人組の典型的フォークグループ。イギリスでは何曲ものヒット曲を持ち、本国オーストラリアでは多くの人に敬意を持たれているグループらしいのだが日本では一発ヒット「あの人は今」的扱いのグループだ。

「ジョージー・ガール」は映画の主題歌で口笛が印象的な陽気で前向きの内容の曲。シーカーズとしてはちょっと異色なポップな曲だが、清楚なジュディス・ダーハムとの声ともマッチして、1966年作とはいえ古さを感じさせない。最近も自動車のCMソングとしておしゃれに使われていた。あの時代のポップスは本当に輝いていた。当時のビルボードベストテンを眺めてもベストテンチャートイン曲は全曲エヴァー・グリーンだ。

オーストラリア女性とは淡い思い出がある。中学生時代外国人との文通が流行っていて、僕もクラスメートから薦められあるオーストラリア少年と文通を始めた。何通かやり取りするうち突然写真が送られてきた、そこには少女の姿が・・。何のことやら意味がわからないでいたが、手紙を読んでやっと理解した。僕が文通していた相手は少年ではなく少女だったのだ。今ではSANDRAといえば女性と思えるが、当時は友人からも男と教えられていたこともあってSANDRAが女性であるとはまったく考えもしていなかった。多感な時期、女性と知っていれば文通などしなかった。友人たちにばれたら大恥もの。どう返事を書いていいものやら混乱して(君が女だとは知らなかったなんて中学一年生がどう英語で書けというのか)SANDRAには申し訳ないが返事は書かなかった。今でも思い出すとちょっと胸が痛む。

その贖罪なのかシーカーズのシンガー、ジュディス・ダーハムには異性として敬意を払った。LPジャケットからレコードを出し入れする時でも他のレコードよりも気をつかった。最近はYOU TUBEという便利なものが現われ重宝しているが、シーカーズの動く映像もそれによりはじめてみた。ジュディス・ダーハムの動く姿は少年の自分が感じていたよりずっと女性っぽくかつ知的で、60代半ばと思われる最近の映像でも昔の面影そのままに、歌っている姿は毅然としている。昔の恋人がしっかりとした人生を歩んでいることを確認したような気分になり、我が女性を見る目の確かさを自慢したい気分になった。

シーカーズのプロデューサであり「ジョージー・ガール」の作者でもあるトム・スプリングフィールドはダスティ・スプリングフィールドの実兄だ。DUSTY(埃っぽい?)・スプリングフィールドは女性シンガーなので皆さんどうぞお間違いなきよう。200pxdustyinmemphis

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