カーラ・ボノフ 珠玉のライブ・アルバム
スピーディに春がやってきた今年。露天風呂温泉の季節。支笏湖丸駒温泉に一泊してきた。札幌から約1時間のドライブ、音楽のお供はと思案していたら、グッド・タイミング、サンダー竹内氏がカーラ・ボノフのライブアルバムをプレゼントしてくれた。
カーラ・ボノフを聴く機会はめっきり減ってしまったけど、彼女の珠玉の名曲の数々はしっかりと心にしまわれている。なかでも「LOSE AGAIN」は僕とあやこにとって衝撃的な曲だった。この曲を最初に世に出したのはリンダ・ロンスタット。1976年発表のアルバム「風にさらわれた恋」でりンダは3曲もカーラの曲を取り上げた。この曲、アルバムからリンダ・ロンスタットに惹かれ、アメリカ西海岸の音楽へと僕らはのめりこむ。
リンダの最初の日本公演、神奈川県民ホールでのステージ、オープニングはこの曲だった。カーラはピアノの弾き語りで淡々と歌うこの曲をリンダはドラマチックな曲に仕上げた。間奏のダン・ダグモアによるギターソロは語り継がれるべき名演奏だと思う。リンダがカーラのカバー曲を入れたアルバムはもう一作。「DON'T KNOW MUCH」のグラミー賞曲を生んだ1989年作「CRY LIKE A RAINSTORM HOWLLIKE THE WIND」は「GOOD BY MY FRIEND」「ALL MY LIFE」「TRUOBLE AGAIN」の3曲が選曲されている。ブライアン・ウイルソン、ジミー・ウエッブの曲などが散りばめられた名作アルバムだ。
カーラのライブ・アルバムはCD二枚の大作。2004年に録音されたものが、昨年発表された[日本未発売]。ベスト・オブ・カーラといった趣の選曲がなされている。1stアルバム10曲から8曲も歌われている。1977年に発表された1stアルバムではカーラの歌はまだ不安定で説得力もなかった。その頃のコンサートを観ているがゲストで共演したアンドリュー・ゴールドの演奏が素晴らしかった記憶は残っているがカーラの印象はあまりない。しかし今作でのカーラの歌声
キーは全然変わっていないのに中低音域にぞくっと来る魅力が備わった。お子様っぽく聞こえた曲も見事な曲に生まれ変わった。E&Aギター、ベース、ドラム、ケニー・エドワース率いるシンプルな3名のバックによる演奏がカーラの歌、楽曲をよりいっそう際立たせている。
カーラがデビュー前に録音したデモテープをあやこのエピック時代松本プロデューサーに聴かせてもらったことがある。歌手より作家としてアピールしたと思わせるデモテープ。不安定で、今にも壊れてしまいそうなくらい繊細。しかしカーラの原型は今も何も変わっていない。今作でもとりわけ印象的なブリンドル時代の名曲「DADDY'S LITTLE GIRL」の世界のように。しかし表現する彼女は女性として凛とした姿に大きく変わった。
あやこの幻に終わったエピックでのセカンドアルバムが実現していれば、カーラのデモテープから一曲歌われるはずだった。今はメロディーも忘れてしまったけれど、思い出はほどほどのほうがいい場合だってある。


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