« WHEN I'M SIXTY-FOUR 今からずっと先のおはなし | Main | 宮田あやこ LIVE in TOKYO 2016のお知らせ »

ADIOS  グレン・フライ逝く

昭和30年代風に言うと、我が家にテレビが来た。50インチあるというのに配達員一人が台車で軽々と運んでくる。脚の取り付け、設定は自分でやる。モニターだけのあっさりしたもので、さほど大きさを感じない。装飾品でもあった昔がちょっぴり懐かしい。

最近のテレビはインターネットもやれ、NETFLIXという動画サービスもついている。一ヶ月間は無料ということなので、様々なテレビドラマ、ドキュメンタリー、映画を観たが、映画「ゴッド・ファーザー」1とパート2をまたもや観てしまった。1970年代に作られたこのマフィア映画の傑作は、ある映画のメグ・ライアンのセリフを借りると「男って皆、ゴッド・ファーザーが好きね」ということになる。壮絶な縄張り争いもさる事ながら、本来の自分を殺して、家族、マフィア組織、を守ろうという男の悲哀が多くの男どもの共感を呼ぶのだろう。

このところミュージシャンの訃報が続いている。昨日はモーリス・ホワイト(EW&F)、昨年来からはアラン・トゥーサン、ナタリー・コール、デビッド・ボウイ、ポール・カントナーが逝ってしまった。人の生き死にはその人なりの運命で、合掌して見送るしかないが、イーグルスのグレン・フライの訃報には、特別な感慨があり、様々な思いが去来した。

グレンの死因は関節リウマチによる合併症とあった。この病気は自己免疫疾患で、簡単に言ってしまうと自分の免疫が自らの身体を攻撃し関節を壊すというものだ。症状が増すと激痛を伴うものとなり強力な痛み止め薬が日常必要になる。女性がかかる病気とも言われ男性の罹患率は20%と少ない。なぜ発症するか、DV、極度のストレスなど心因性の作用を多くの人が指摘しているが、原因はまだ解明されていない。この病気で死に至ることはないが、薬による重篤な副作用の可能性を持つ。この10年ほどで症状を劇的に食い止める新薬が開発されたが免疫力が極度に落ちるのだ。潰瘍性大腸炎、肺炎などグレンの直接の死因は新薬摂取の副作用が引き金になったのではと推測される。なぜ僕がこの病気を知っているか?それは宮田あやこが36年間戦っている病気だからだ。
Glenn_frey1_2

グレンの訃報を聞いたある人は、「悪党は長生きするはずなのに」と感想を述べた。確かに、イーグルス双頭のドン・ヘンリーがどこか弱さを持ち多くのファンを持つのに比べ、グレンは自信にあふれ、正体を隠した鋭い眼光を持ち、メンバーを恫喝、脱退に追いやりイーグルスを思い通りに操った男としてのイメージが強い。しかし、世界最高のバンドと言われるまでになったイーグルスをファンのイメージ損なうことなく、過去に栄光があったと言われることなく歩み続けるバンドとして存続させるため、いかほど人としてのエネルギーを必要としたことか。常人には計り知れない。この病気と15年間戦い力尽きたという事実を知り、彼の隠し通した苦悩を知った気がした。彼は命を賭してイーグルスを守り続けたのだ。グレンの代わりのメンバーを探してイーグルス再活動を言う人もいるけど、グレン抜きのイーグルスなど断じてありえない。ドン・ヘンリーがそんなことをするわけがない。

「We Are The EAGLES From Los Angels」グレンはコンサートの冒頭いつもそうアナウンスメントした。しかしメンバーに一人としてロサンジェルス出身者はいない。グレンはデトロイト/ミシガン、ドン・ヘンリーはテキサスの信号もないような田舎町の出身だ。ロサンジェルスは彼らの憧れの街だった。サザン・カリフォルニアには見果てぬ夢があった。そんな時代の記憶を実現させたイーグルスは連綿たるウエストコースト音楽の系譜に重要な一ページを加えた.。California Dreamin'の終焉を歌った「ホテル・カリフォルニア」の大ヒットは彼らの永い活動歴のほんの一コマに過ぎない。
Photo

最高のロックンロールを演奏し、可愛い女の子とねんごろになり、一旗揚げること。男子と生まれてそれ以上のことがあるのか。グレン、君は充分やり遂げた。


ADIOS  

17歳で家を出た
あなたと共に
カリフォルニアの浜辺

マルガリータを一晩中飲み明かした
あの古びた酒場
カリフォルニアの浜辺を離れて

私を不誠実だったと思わないで
そんな気難しい顔をしないでね
アディオス、さよなら

我々は成し遂げられなかったけど
でももう少しまで近づけた
アディオス、さよなら

北へ行こう
丘が冬の緑の場所
あなたから去らなければならない
カリフォルニアの浜辺から

行くところは
水は澄み、空気は清らか
カリフォルニアの浜辺よりも

終わらぬ夏の我々の夢
壮大すぎていたかもしれない
アディオス、さよなら

あの丘の真っ赤な夕陽が懐かしい
でもあなたがいないのが一番寂しい
アディオス、さよなら

ADIOS
WORDS&MUSIC BY JIMMY WEBB
SUNG BY LINDA RONSTADT

|

« WHEN I'M SIXTY-FOUR 今からずっと先のおはなし | Main | 宮田あやこ LIVE in TOKYO 2016のお知らせ »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference ADIOS  グレン・フライ逝く:

« WHEN I'M SIXTY-FOUR 今からずっと先のおはなし | Main | 宮田あやこ LIVE in TOKYO 2016のお知らせ »